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漫画家・竹宮恵子の公式HPです。
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天馬の血族

ikoTAKEMIYA地球へ…1

 発表年:1991年1月。発表誌:角川書店月刊ASUKA1月号より連載。
 この作品は9年半の間月刊ASUKAに連載され、新たな読者獲得にもつながった。小学館をホームベースとしてきた竹宮は、角川書店へと場を移し、 『>5:00PMレボリューション』『スパニッシュ・ハーレム』などの現代を舞台にした連載を経てこの作品に至る。また再びクラシカルな作品?と思うかもしれないが、連載当初より毎年夏になると、草原での乗馬のためにモンゴルへ通った。そこでの情報や体験が、この作品の舞台となる草原の生活にリアリティを与えた。
 竹宮はこの作品では特にエンターティメントに注力し、その当時、1ページにコマ数が多すぎると読者に敬遠されるという注意にも耳を傾けて、作品の微妙な調整にも務めたという。その一つに、Gペンの先端を切って、あえてコントロールしにくいペンを創作し、手慣れた描線を避けたというから驚きだ。
 少女が主人公であることは竹宮の作品では当時すでに珍しかった(ほとんどが少年主人公)が、時代は少女がアクションを演じることに対して、もう抵抗はなくなっていた。男女の差異によるエピソードではなく、人間としての存在感で勝負する、草原の価値観を語るにはその方が良かったのだろう。

ikoTAKEMIYA地球へ…2【ストーリー】
 草原で拾われ育てられた少女アルトジンは、草原の民が持つ念の力を、強めに有していた。それゆえ子供たちの騎馬戦(ここでは本物の馬で行う)では圧倒的なリーダーとなっていた。草原では拾い子であることや男女の差は重要視されない。アルト人は屈託なく育ち、草原の皇子にも遠慮会釈ないお説教をするほどだった。
 皇子オルスボルトは赤ん坊の頃にアルトジンの胸の牡丹の刺青(体温が上がると現れる)を見て以来、なぜかわからないが惹きつけるものを感じ、そばに置くようになる。オルスボルトの弟である皇子イスマイルは都に留学していたが、戻ってきて都のスパイのように行動する。それは都に君臨する帝の、草原に対しての魔の手だった。長い歴史の中で都が草原を欲する理由が生まれ、そのどうにもならないように見えるしがらみを、アルトジンとオルスボルトがその行動によって解き明かしていく。

 圧倒的な念の力を持ちながら、決してそれで全てを解決しようとはしないアルトジンたち。草原に生きる者として、何に価値を置き、どう生きていくのか。都が失ったものを草原は持っている。富と力を蓄えながら、都が飢えるわけはどうしてなのか?




姫くずしシリーズ

©︎KeikoTAKEMIYAファラオの墓1

  発表年:1977年。発表誌:ビッグコミックオリジナル増刊。
 青年誌からの初の依頼でちょっと変わったものをと考え当時はまだそれほど話題になっていなかったLGBTもの?を意識して描いたとか。線を超えることを自身に課していたようなところのある竹宮は、結構表現に緊張したとか。変わった言動をする主人公 姫川 基も実は普通の高校生。それがわかるように描いた。
 後にこの作品はシリーズ化する。それはもちろんこの主人公がファンに受け入れられたからだが、少女漫画誌に写ってからはやや尖ったところが丸くなってきた。性的描写は女子の最も不得意なところなので、現代もので、しかも高校生が主たる登場人物となるため、やむを得なかったと言える。その後間を開けてさまざまな本で読み切りとしてシリーズ作品が描かれた。10年という長きにわたるシリーズである。

 『姫くずし』1977年 ビッグコミックオリジナル増刊号
 『新橋の5分間』 1979年 JUNE8月号

 『ごめんね今夜は』 1981年 週刊少女コミック8号
 『通りすがりに殺したい』 1983年 月刊LaLa6月号
 『ザ・Shy-ing』 1984年 月刊LaLa8・9月号
 『ウィーク・ポイント』 1985年 月刊LaLa8・9月号
 『behind』 1986年 月刊LaLa8・9月号
 『Set Me Free』 1987年 月刊LaLa2・3月号

©︎KeikoTAKEMIYAファラオの墓2【ストーリー】
 政界の有名人を父に持ち、その愛人との間に生まれた主人公。自由な暮らしを求めて一人暮らしを要求する姫川 基(もとき)は、どこか諦観を漂わせながらも、精一杯、現実に抵抗する高校生。男に言い寄ったり、大人の女とベッドインしてみたり。とても普通とは思えないが価値観はしっかりしている。自分なりの正道を歩くために、友人は人一倍大事にする。
 そんな彼には不思議な出会いがいっぱい。『新橋の5分間』では刑事と知り合い、『ごめんね今夜は』では自分の存在を知らない妹に恋をしかけて嫌気がさし、ヤクザものに自分を殴らせたりする面倒臭い展開も。『通りすがりに殺したい』では見知らぬ殺人者と出会う。全てを上手に解決できる力を持っているわけでもない。それでもなぜか、彼には人気がついて回る。派手に目立つし、勉強にではなく発揮される頭の良さが魅力なのだ。


『空がすき!』

©︎KeikoTAKEMIYAファラオの墓1

 発表年:1971年。発表誌:週刊少女コミック12〜21号 
 なりたい自分を投影した主人公をようやく発見し、竹宮は意気込んで連載に望んだが、主人公が少年、しかも自称詐欺師。誌上ミュージカル風という、少女史では受け入れられづらいスタイルと設定だったため、担当のプッシュは得られず、始めから10回で切られることが自明だった。
 それでもこの作品を受け入れてくれる少女読者がいることを信じて、10回目の終了時には主人公に読者にADIEU(さよなら)を告げる落書きを残させた。でも、ADIEUって「永のお別れ」のほうの意味らしい…ウ〜〜〜〜ン。知らないってこわい。
 その割には間で同じ主人公の読み切りを描いたし、第2部までも連載された。最初の連載の終了後、ずいぶん多くの読者から「なぜ終わったの!?もっと続くと思ってたのに」と抗議があって、嬉しい反面、もっと早く反応して!と思ったとか。
 このファンの反応が大きかったこともあり、竹宮はこの後、ファンクラブを持つようになり、一時期は1200名もの会員がいたという。


『空がすき!』第1部 1971年 週刊少女コミック12〜21号
読切『まるで春のように!』1972年 週刊少女コミック5号
『空がすき!』第2部 1972年32〜41号
読切『NOEL!-ノエル-』別冊少女コミック11・12月号

【ストーリー】
 パリの下町に一人の少年が住みつく。名前はタグ・パリジャン。偽名臭いその名前で、職業をプロの詐欺師、という。誰もが本気にはしないが、その身軽さ、闊達さに呆気にとられる。歌もうまければダンスもできて、女の子たちをキャーキャー言わせるのもお手のもの。©︎KeikoTAKEMIYAファラオの墓2
 そんな彼にうまい仕事が舞い込む。警察署長夫人に取り入り、息子のお守りを言いつかったのだ。ところがその息子ジュネ・オルタンスが一筋縄ではいかない子供で、年齢はタグより2つくらい下なのだが、対等に攻めてくる言い回しはなかなかのものがあった。少年同士の命を張るような緊張したやり取りを経て、二人は奇妙な友情を共有する。親に反抗する息子と、親さえいない流浪の少年。この関係はその後もずっと尾を引いていく。
あちこち流浪する主人公のせいで相手役は変われど、いつも助けるのはジュネだったりする。



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